「プラス1の戦士」考

M14さんがセーラーヴィーナス考を展開している。
『早くも破綻しかけてる「セーラーヴィーナス=プラス1の戦士」説』とのことだが、私は全く破綻していないと思うぞ。
東映の戦隊やライダーの製作スタッフが作っている作品なのだから、当然そこで上手くいった手法は取り入れられるものなら取り入れようとするのがごく自然な流れだろう。中でも「プラス1の戦士」というのは、人気が低迷して打ち切りの危機にあった戦隊の挽回のきっかけとなった重要な要素の一つだ。これを使わない手はないだろう。
セーラームーン側からのアプローチはM14さんにお任せするとして、私は戦隊側からのアプローチを検討してみたい。


戦隊シリーズでいうところの「プラス1の戦士」と一口に言っても、その形態には様々なものがある。
他の戦士との区別ではざっと以下のような違いが挙げられそうだが、もちろん全部が相当する者などいない。逆に、極端な話、出自が違うだけで、以降はほとんど他の戦士と変わらない(同じ拠点で生活し、一緒に出動し、一緒に名乗り、一緒に敵と戦う)者もいる。
項目の説明は後回しにして、まず一覧表を見てみよう。


作品名 キャラクター 2赤敵対拠点相棒種族時代立場年齢容貌名前正体巨大非戦非人死亡
恐竜戦隊ジュウレンジャー ドラゴンレンジャー/ブライ









5
五星戦隊ダイレンジャー キバレンジャー/コウ










3.5
忍者戦隊カクレンジャー ニンジャマン






8
超力戦隊オーレンジャー キングレンジャー/リキ








6
超力戦隊オーレンジャー ガンマジン






8
激走戦隊カーレンジャー シグナルマン







7
激走戦隊カーレンジャー ホワイトレーサー/ラジエッタ








6
電磁戦隊メガレンジャー メガシルバー/早川裕作











3
星獣戦隊ギンガマン 黒騎士/ヒュウガ








6
未来戦隊タイムレンジャー タイムファイヤー/滝沢直人








5
百獣戦隊ガオレンジャー ガオシルバー/大神月麿











3
忍風戦隊ハリケンジャー カブトライジャー/霞一甲











2.5
忍風戦隊ハリケンジャー クワガライジャー/霞一鍬











2.5
忍風戦隊ハリケンジャー シュリケンジャー









4
爆竜戦隊アバレンジャー アバレブラック/アスカ













1
爆竜戦隊アバレンジャー アバレキラー/仲代壬琴








5
特捜戦隊デカレンジャー デカマスタードギー・クルーガー









4.5
特捜戦隊デカレンジャー デカブレイク姶良鉄幹













0.5
特捜戦隊デカレンジャー デカスワン/白鳥スワン









4.5
魔法戦隊マジレンジャー マジマザー小津深雪










3
魔法戦隊マジレンジャー ウルザード・ファイヤー/小津勇






7.5
魔法戦隊マジレンジャー マジシャイン/ヒカル










3
魔法戦隊マジレンジャー 魔法猫スモーキー







7
轟轟戦隊ボウケンジャー ボウケンシルバー/高丘映士













1
轟轟戦隊ボウケンジャー 大剣人ズバーン







7
美少女戦士セーラームーン セーラーV/愛野美奈子








5
美少女戦士セーラームーン セーラーヴィーナス愛野美奈子










4
美少女戦士セーラームーン セーラールナ/ルナ











3
作品名 キャラクター 2赤拠点相棒種族時代立場年齢容貌名前正体巨大非戦非人死亡


この表は書いてて入れようは外そうか迷う微妙なケースが多々あったので、私以外の人がこの表を書いたら同じ表になるとは限らない。中にはこれを「プラス1の戦士」に含めるのかよ、と思われるキャラクターもあるだろう*1。逆にアバレマックスとかルナジェル、スノージェルなどあえて外したのもある。
そこは独断ということでご容赦いただきたい。
ここからいろいろ話を膨らましたいとは思ったのだけど、正直、表を書いただけで疲れた。
まあ、簡単にに言ってしまえば、セーラーヴィーナスも戦隊の「プラス1の戦士」に引けを取らないだけの要素を備えているということだ。


個人的に面白いなと思ったのは「拠点」という項目。これは下記に記すように基地に出入りしているかどうかってことなんだが。
セラームーンは戦隊シリーズではないので末尾に置きましたが、時期的にはアバレンジャーデカレンジャーにかけてのところに入る。
で、ちょうどこの辺を境にして、昔は基地に出入りせず普段は一匹狼だったのが、最近は一緒の基地で一緒の行動という風になってきてるんですね〜。社会的無関心がいろいろ問題になってる中、みんなもっと仲良くやろうよという作風にシフトしてきているのか…。
セーラームーンがもう少し放送時期が遅かったら、美奈子もクラウンで一緒にはしゃいでいたのかも知れない。
この表はいずれまた再利用するかもしれないけど、とりあえず今日のところはこの辺で。


説明が後になりましたが、表の項目の説明は以下の通りです。(言い訳も含む)


●2人目のレッド属性(2赤*2
レッドの親兄弟ライバルなどレッドとの間に特別な関係性があったり、レッドと同系統の技が使えたり、レッドと好対照な描き方をされたりしている。
●当初は敵対関係として登場(敵対)
敵または第3勢力として登場。正義の心を取り戻す前は姿や名前が違ったという場合も含む。
●生活拠点が異なる(拠点)
戦隊メンバーは平時にたむろしてる基地的な場所があるが、常時そこに出入りしていない。
●独自の相棒がいる(相棒)
同格の友達、相談相手以外にも、仕えるべき主人など諸々含む。喋る剣など、意思の疎通ができるものなら、生物でないものも含む。ただし、聖獣や爆竜など、他の戦士も等しく持っているようなものは含まない。*3
●種族が異なる(種族)
異星人である、古代人である、天空聖者である、など。
●時代が異なる(時代)
1000年間眠っていた、古代文明の生き残り、など。
●立場が異なる(立場)
プラス1の戦士は皆多少は立場が違うが、ここでは社会的立場など、当人の内面的問題ではなく外的要因一般で、共闘する上で支障があるレベルのもの。*4
●年齢が異なる(年齢)
種族が異なる場合は見た目年齢で。他の戦士の偏差と大きく外れているもの。*5
●容貌が異なる(容貌)
スーツの形状が多少違う程度は常だが、胸部のプロテクター程度ではなく、もっと全身に違いがあるもの。
●名前の系列が異なる(名前)
○○レッドに対して○○シルバーのような名前でない場合。接頭語がそもそも違うレベルなら○。色繋がりでないという程度なら△。
●正体不明(正体)
変身前の正体が不明、またはそんなもの無い。
●巨大化する(巨大)
自ら巨大化して巨大ロボ的役割を果たす。巨大化して何かと合体するようなものも含む。
●基本的に非戦闘要員である(非戦)
●人間体が無い(非人)
常に被り物で、演じる俳優の素顔が出ないもの。*6
●最終回より前に死亡(死亡)
死んだけど復活した*7というのは含まない。ただし、超常的な力で全てが無かったことになったケースは含む。*8

*1:ラジエッタは迷ったけど好きだから入れた(笑)

*2:カッコ内は表中記載用の略語

*3:でもアバレキラーにはヤツデンワニがいるから含む(笑)

*4:メガシルバーは開発を放っぽって出動すると怒られるので社会的地位による制約を受けている。デカマスターは署長なので滅多には現場に出ない。ドラゴンレンジャーは社会的な地位ではないが、寿命設定で時の部屋を出られないという外的要因があるため含めた。一方、マジシャインは先生という立場ながら制約なく現場に出てるので含めない。

*5:基本的には大人と子供くらい違う場合だが、メガレンジャーのように皆同級生で一人だけお兄さんというのは含めた。

*6:変身前が人間でなく変身後が人間体のセーラールナは、異質だけど一応人間体がありということで除外。

*7:ウルザードマジシャインなど

*8:この中ではセーラーヴィーナスのみだけど、仮面ライダー龍騎とかがそれに当る。