お盆休みに映画を2本

5日間のお盆休みは日常を忘れてちょっと遠出――ということもなく、ほとんど家の近辺で過ごしてました。だからネットする暇もいくらでもあったんだけど…。旅行中でもしっかりコメント書きにこられてるM14さんとか、本当に頭が下がりますよ。
でも、旅行とか行ってない割には結構充実した休みでした。
住宅ローンの借り替えの検討から手続きまで一気に片付けてしまったしね*1
姪っ子とも遊んだしね*2
あと、映画を2本観に行きましたが、両方とも俺的大ヒットでした。「M:i:III」と「ゆれる」です。


M:i:III」は、言わずと知れたトム・クルーズのアクションシリーズ。
例によって多彩なアイテムが登場し、場面も世界中に切り替わりますが、何のために何をしているのかというのが適確に描写されているので、非常に分かりやすく、カチッカチッと決まった製作スタイルが好感触です。ストーリーの方は逆にどこに裏切りが潜んでいるかわからない不安定さと、ギリギリのタイミングで任務を遂行するスピード感で、どっちに滑っていくか分からないジェットコースターのよう。
手堅くキッチリとした作りと、不安定で先の読めないストーリーのミスマッチが非常に面白いです。
こちらは立川のシネマシティで鑑賞しました。ゲド戦記パイレーツ・オブ・カリビアン2のしわ寄せを食って、日に3回しか上映してなかったのですが、人気はあるようで、500円分の飲食物を抱き合わせにされる特別鑑賞シートしか空いてませんでした。
ちなみにパイレーツ・オブ・カリビアン2は、奥さんが1を未見だし、俺は観たけどもうだいぶ忘れてしまったので、まずそれを観てからと思いレンタルに行ったところ、全部貸し出し中でした*3。こちらはまたの機会に。


もう一本の「ゆれる」はオダギリジョー主演の、人間の不確かさを描いた物語。
近所では公開が終わってしまったので、新宿の武蔵野館に行って観ました。劇場が80席と小さいこともあるのですが、平日なのに超満員で立見が出てましたよ。
ストーリーを書いちゃうよりは、もうともかく黙って観てくださいって感じですが、兄役の香川照之の演技が凄まじく素晴らしいし、監督・脚本の西川美和さんは非常に才能のある人だなと思いました。
殺人容疑で捕まった兄を助けようとする弟。でも裁判が有利になるにつれ、浮かれる周囲とは裏腹に打ち沈んでいく弟という構図の妙。しかも最後に驚きの展開。
全編目が離せませんが、特に気に入ったシーンを2箇所だけ書いときます。


兄の稔(香川)が思いをよせる智恵子と寝てしまった弟・猛(オダギリ)が夜遅く帰宅した時の会話。稔が向こうを向いて洗濯物を畳んでいるのが、生活感溢れ過ぎるというか、背中が侘しいのがポイント。

稔(洗濯物を畳みながら)「智恵ちゃんしつこいだろ?」*4
猛「……(何と答えてよいかわからない)」
稔「酒飲みだすと止まらないんだよな」*5
猛「(ちょっと安心して)俺手持ち無沙汰でさあ」*6
稔「風呂はいいか」*7
猛「いや、入るよ」*8
稔「そう。じゃ入んな」

何気ない会話の中にもの凄い応酬があります。


殺人容疑で捕まった稔と面会する猛の会話。

稔「つまらない人生だよ。仕事は単調、女にもモテない。ブツブツ…」
猛「そんなことない。兄ちゃんは立派だよ。俺には真似できないよ。俺は逃げてばっかりだし」
稔「つまらない人生からだろ?」

逃げることでお前は誰もが羨む人生を手に入れてるじゃないか。猛も返す言葉を無くす、このセリフは凄まじい。
ラストシーンも忘れられない印象を残します。この映画は観て良かったなあ。

*1:精神的消耗は通常の3倍以上だ

*2:体力的消耗は通常の10倍以上だ

*3:しかも、1週間レンタルだったものを商魂逞しく3泊4日に戻してなお、です

*4:第1弾のカマかけ

*5:第2弾のカマかけ

*6:実は智恵子は酒を飲めないというのが後でわかる

*7:聞くというより、「いらないよな」と確認する感じで。第3段カマかけ

*8:実は智恵子のところで既に入ってきている