第三番惑星の奇跡

魂こもってます。見入ってしまいました。
明らかにいつものウルトラマンマックスと違い、ギャグ無しです。
隊長の言動がおかしいです。別人格になってます。


両親を失い視力も失った少女が、音楽に託す夢を、ミズキは守ってやりたいと思う。
宇宙より落下してきた謎の物体が、焼き払おうとすれば火を噴き、ミサイルを打ち込めばミサイルを発射する、脅威の怪獣に成長する。
この2本の軸が、少女が初めて発表会を行う予定だった公会堂を怪獣が破壊することで1回交差し、そして少女が怪獣の前で演奏するところで結実するという構成も見事です。


マックスの光線すらも、それを発射するものになってしまう怪獣イフの完全生命体ぶり。
イフの周囲で壊滅して炎上する都市。
なす術の無い人類。
燃える町を泣きながら徘徊する防災頭巾の少女。
これらが圧倒的な映像迫力で迫ります。


イフの成長は、攻撃は反撃を生み、憎しみの連鎖を発生させる、昨今のテロ戦争を想起させます。
炎の中をさ迷う防災頭巾の少女は、空襲で焼け野原になる、戦中の町の描写そのものです。
「戦争反対!」は良いけれど、現実も見ずに「自衛隊違憲だ」とか「憲法改正反対」とか言う人達は、こういう映像を作る円谷に投資したら良いでしょう。下手な演説や論述よりもよほど説得力があります。
まあ、イフの存在自体が矛盾ではあるのですが。