「長岡まつり」大花火大会

親父のつてで良い席を確保できたということで、平日だけど休みをとって、両親と私と奥さんの4人で行ってきました。
新潟県長岡の花火大会です。
私は、ずっと前に親父が新潟に単身赴任していた時に見たことがあり、今回2度目の鑑賞。奥さんは初めてです。何かの折に話が出た時、奥さんが「見たい」と言ったのを親父が憶えてて、席を取ってくれたんだよね。やるなあ、親父。
今回取れた席というのは、川面に繋いだ船の上の席で、照れ屋の親父は自慢気に語ったりはしませんが、本当はなかなか取れない席なんですよ。親父殿に感謝です。


到着早々、長岡の駅で駅弁を購入し、バスで会場まで向かいます。
駅弁は「もぉ〜舞っちゃう」という名前の弁当で、ネーミングセンスはどうかと思いますが(笑)、いわゆる牛丼です。「もぉ〜」が牛で「舞」はまいたけ。牛には山古志牛を使用とのことで、山古志といえば新潟県中越地震の影響で今なお大変なところです。なんとなく噛み締めて食べます。
器の下に紐がついてて、それを引くと急激に発熱し、蒸気が出て、中身を蒸らして暖める機能が付いてる優れもので、よく考えてるなあ。よく味がしみてる柔らかい山古志牛がとても美味しかったです。
新潟方面に行かれる方は、是非食べてみてください。


19:20に市長からの挨拶が入り、地震からの復興を願う気持ちを訴えます。
19:30、開始の合図代わりに初弾が上がり、いよいよ打ち上げ開始です。
まずはいきなりナイアガラで驚かせてくれます。
川でやる花火大会ではメニューに入るナイアガラですが、橋1本で1回しかできないので、たいていは締めに使われます。ここは2本の橋があるので最初にもできるんですね。
で、このナイアガラの持続時間が長い長い。
距離も長いので、全部火が付くまでもちょっとかかりましたが、その後、他の花火がバンバン打ち上げられ、ナイアガラと打ち上げ花火のコラボレーション状態で、なおしばらくナイアガラは流れ続けます。
いや〜すごい。最初からすごい。


以後、いろんな打ち上げ花火が続きますが、とにかくどれも、玉がでかいでかい。
長岡は三尺玉などの大玉でも有名ですが、それ以外の玉も、打ち上げ場所との距離が3〜400mと近いため、とにかくどれもでかいです。35mmレンズでは画角に入りきらない、と言えば、写真をやる人には大きさがわかるでしょうか。
上空で開く枝垂れ花火なんかは、本当に頭上に降ってくるような感じです。
うちの席は確かにとても良い席なんですが、一般の土手に陣取る普通の席も*1何十メートルも違うわけではありません。
都内では単純に人が多いのでそんな近い場所に陣取れないというのもありますが、隅田川のように場所が狭いため小玉しか上げられなかったり、東京湾大華火のように最短の陸でもちょっと遠かったりと*2、なかなかこんな好条件では見れません。
とにかく、でっかいことはいいことだ!
スターマインとかは、数と明るさで人目を引きますが、写真に撮った場合はあまり良い絵にはならず、1発の大輪には負けるね、と内心見下してた部分があったのですが、1発1発がこうもでかいとしびれるほかありません。
千輪というのでしょうか、上空でドカンといって、アレッと思ったところでたくさんの小さな花が開くやつですが、あれなんかも今までは、何かしけてる感じで好きではなかったのですが、でかいと華やかさが段違いです。


それに、でかいだけではなく、重ね方、組み立て方が、非常に素晴らしいです。
前の花火が咲いた位置に違うことなく、その花火の余韻が残っている間に第2弾、3弾の花火が色違いで咲く。
何かの形をした型物花火も、単独ではなく他の花火に混ぜてくる。
微妙に重なるように、でも徐々に高い位置で開き、だんだん盛り上がってくるように演出する。
大輪も単発で使用するのではなく、スターマインを盛り上げていった最後の締めに、数発これでもかと合わせて来る。
1箇所から3発5発と同時に上げて重ねの美を見せたかと思えば、数箇所から全く同時に上げて視界いっぱいの広がりを見せたり。
花火師一人一人の技量の高さを感じますし、打ち上げポイントが数箇所あるところを見ると、結構人数も必要なんじゃないかなあ。
1万発とか、玉の数で規模の大小を比べてしまいがちですが、どういう花火師がやってます〜ってのも、中身の評価指標になるんじゃないでしょうか。野菜も生産者表示の時代ですし。


都心部の花火と違って、ずーっと連続でドカドカ打ち上げるのではなく、打ち上げプログラムごとに区切りがあり間があります*3。その都度、協賛団体のコメントを読み上げ、「○○○○打ち上げ開始でございます!」といううぐいす嬢の声で打ち上げが始まります。
この間がなんとも良いのです。
どんなにでかくて驚かされても、ずっと見てると慣れてきてしまうわけですが、間があるために、次の花火はまた新鮮な気持ちで見ることができます。
前の花火で出た煙が薄れるのを待つという効果もあります。
あと、これだけ迫力満点の花火でありながら、なんとなく物寂しい余韻を残す効果がある気がします。アクション超大作映画を見て、スカッとしてオッケー!みたいな感じではなくて、アクション超大作でありながら、主軸はアクションではなくヒューマンドラマで、ほろっと泣けて笑えるような、そんな感じ。


泣けて笑えるといえば、個人で出してる花火もあるんですね。
おじいちゃんが子供や孫に向けたメッセージとか、学生やそのOBが先輩後輩に向けたメッセージとか。地震からの復興を応援するメッセージもあり…。
それぞれに何らかの思いを込めて打ち上げられる花火。
そういう人達の生活が、花火を通して、なんだか身近に感じられるんですよ。
それ以外の花火も、全国規模の大会社が提供する花火より、地元の会社や団体の出している花火の方が、何となくですが力が入ってる感じがしました。地震の後だけに特にそういう気持ちが入ったのかも知れません。


反対側の橋のナイアガラと同時に超特大の三尺玉が開きます。
これはうちの場所からは距離が遠かったので、目で見た大きさはさほどではありませんでしたが、なんせ大き過ぎるのであまり上空まで上がらないのか*4、花の大きさの割には低い位置で開き、枝垂れる火が地面ギリギリまで達して、限界ギリギリに挑戦という感じがひしひしと伝わってくる一品です。
そして、個人花火などを挟んで、いよいよラスト。
6箇所で一斉に打ち上げ!!
各打ち上げ個所でタイミングが完璧にピッタリ。
同じ色の花火が一斉に、視界範囲外まで横に並び咲き、その色が次から次へと色とりどりに変わっていきます。
それがだんだん上空に舞い上がり、これでもかとばかりに盛り上がりを見せてフィナーレです。
いや〜素晴らしい。
本当にすごい花火ですね。一生に1回は見といた方がいいです。間違いない。

*1:場所取りは大変でしょうけど

*2:屋形船でもチャーターすれば違うのかな

*3:都心部の花火も間はあるといえばあるのだが、短い

*4:近くで見れば十分上がってるのかもしれないが