ウルトラQ ウニトローダの恩返し

カビの特性を併せ持つ得体の知れないサビの増殖に悩まされる下町の町工場。
そんな時、ウニトローダ星からやってきたという宇宙人が怪我してるところを助ける。
カビサビの正体は、ウニトローダ星でも怖れられている恐ろしい怪獣だった。
ウニトローダは助けてもらった恩返しに、命をかけてカビサビ怪獣に挑む。


上原正三脚本のお得意の下町人情話です。
普通に考えてカビサビを地球に持ち込んだのはウニトローダ以外にありえないのに、「元はといえばお前のせいだ!」と突っ込む人がいなくて、登場人物の皆が皆、純朴で善良なのは上正らしいです。
カビサビ退治の作戦は例によって渡来教授が発案しますが、時間の都合もあるのでしょうが、これまた一発で図に当たります。
そんな感じなので、ストーリーの方も紆余曲折はなく、見えてる結末に向って直線一本道を真っ直ぐ進む感じで、非常に予定調和的。
同じハッピーエンドでも、例えば、嫌な奴が出てきて、でも最後はウニトローダを認めるとか、予定外のアクシデントが発生しピンチに陥るも、機転と根性で乗り切るとか、なんかしら、ひねりなり特異点なりが欲しいなあ。
まあ、それがないのが上正の味か(笑) こんな脚本は、他の誰も書かないもんな。


あと、草刈正雄演ずる渡来教授がねえ…やっぱ浮いてる。
浮き加減がよければむしろそれが味になることもあるのですが、渡来教授の場合は浮き方が寒いよ…。
常に浮かれたハッピー野郎のような挙動なのに、バカキャラじゃない影を引き摺ってるのがいけないのかなあ。キャラが確立してないのに、似合わない浮かれっぷりを披露してるようで、見ててなんかイタイ…。