窪寺昭公演

botaro2004-05-03

↑カテゴリをセーラームーンにするのもどうかと思うが、「美少女戦士セーラームーン」にクンツァイト役で出演中の窪寺昭さんが出ているから観にいったような次第なので、純粋に演劇ファンの方には申し訳ない。
で、友人と4人で観に行って来ました、窪寺さんの所属劇団AndEndlessによる公演「DECADANCE」。
IとIIの2編を公演中でしたが、窪寺さんの出演はIのみなので、そちらを鑑賞。事前に公式サイトの方でチケットを予約しておいたので、3列目の良い席で見ることができました。客席は、ほとんど満席でした。人気あるんだなあ。


内容は部分部分で笑いを織り交ぜながらも基本的には悲劇。200年に一度現れると言い伝えにある、王家を破壊する魔女として生まれた双子の王女、ルシア(光)とシエラ(影)の物語。
この物語には基本的に悪い奴というのがいません。敵である王*1も、2人の魔女の兄であり、統治より兄弟愛を優先させる好人物。家臣の手前、敵対者は全力をもって潰すと言い放ち、実際に手段を選ばず対決するが、心の内では、言い伝えに縛られて魔女として生まれた子を葬ってこなければならなかった王家のあり方を憎み、2人の妹に倒されるのを待っているという微妙な役どころです。


窪寺さんは革命軍のリーダー役。存在を抹消されて城の地下牢に幽閉されていたルシアを救出し、魔女ルシアを担いで政府軍と戦います。最初のうちは民衆を味方につけて優位を得るものの、政府軍が魔女狩りと称して無関係な女性の処刑をはじめると、民衆の怨嗟はやがて魔女に向かう。ルシアを愛していたリーダーは、彼女を差し出す代わりに、民衆の前に現れ、民衆に立ち上がるよう呼びかけて自ら絶命する。そういう役どころです。
4年に一度ある王国唯一のお祭、仮装祭の喧騒に乗じて、襲撃計画などが展開されたりするのですが、そのシーンでは窪寺さんはセーラー戦士のコスチューム*2で登場し、場内を湧かせました(笑)
曰く「本当はこっちの方がやりたかったんだ!」
じゃあ、かわいいダーキュリーも戻っちゃったことだし、今度はそれを追ってセーラークンツァイトにでもなっていただくということで(笑)


3時間半ほどの長い舞台でしたが、なかなかに飽きさせない展開で面白かったです。
ただ、悪役無しってところで、ナルシズムというか耽美趣味が感じられるお話でした。女性受けはしそうですね。実際観に来てた観客も女性が多かったみたい。
子供の頃は妹の少女漫画もよく読んでたし、少女趣味は嫌いではないのですが、耽美趣味は苦手かな。自分は、勧善懲悪とは言わないけど、悪役は悪役として光を放ってる方が好きだし、最後はハッピーエンドな話の方が好きなお子様なので(笑)
舞台の鑑賞歴もあまりない私がいうのは何ですが、役者の演技はやはりレベル高いと思います。セーラームーンのレギュラー陣では際立った演技を見せてくれる窪寺さんですが、この舞台では決して目立ってません。もちろん存在感は光ってるのですが、それは他の役者さんも同じで、一人突出して目立ってるというようなことはありません。つまりは、それだけ全員のレベルが高いと。連続モノのように登場回に紹介エピソードがあるわけでもない1話限りの舞台で、役柄を理解させ印象を残すというのは、結構大変なことだと思います。
「DECADANCE」はGW限りで公演は終わってしまいますが、次回の演目でも、ご興味ある方は観に行かれてみてはいかがでしょうか。


*1:劇団の代表、西田大輔さんが好演。

*2:ピンクのスカートでした。ちびうさ