虚空の呼び声

宇宙に空間の歪みから生じるウルトラゾーンが観測された。
そこから漏れ出した電波から、半年前に遭難した宇宙貨物船アランダスの救難信号が。
生存者はいないとみられるが、ミライは「今すぐ救助にいかなくては」と尋常ではない様子。
サコミズ隊長自らも出撃に加わり、GUYSはウルトラゾーンへ向かう。
CBC公式より http://www.hicbc.com/tv/mebius/story/index.htm

GUYSスペーシーの管轄なのに何故かGUYSジャパンに調査の優先権が認められます。
おそらく生存者はいないと思われるのに、ミライの強引な主張により何故かみんな感化されます。
「助けに行かなきゃGUYSの名が廃る」などと精神論に走ったり、「ウルトラゾーンを間近で見れるチャンス」などと目的を見誤ったりしつつ、何故か皆*1やる気満々です。
ちょっと待ってー。生存者はまずいないんだよ? しかもウルトラゾーンは全く未知の領域なんだよ? 調べるにしてもまず無人探査機を出してみるとかさ……しないよね、そんな悠長なこと。
こうして、クルーGUYS*2は何かに引き込まれるように二次災害に足を突っ込んで行くのでした。


ウルトラゾーンは伝説の怪獣墓場へと通じていましたが、そこはクゼ隊員のヲタ心を充足させたのみで通過。何事も無かったかのように舞台は近くの小惑星へと移ります。
バレーボールの縫い目みたいな模様の入った、なんだか怪しげな惑星です。「いかにも亀の甲羅っぽい無人島」を彷彿とさせます。
大気の組成も問題無く危険な細菌も検出されないというありがちなご都合主義展開を、「獲物がかかるのを待つクモの巣のようだ」と看破させることで巧みに回避。同時にクモという言葉をマリナが異様に怖がる伏線として利用しますが、それにしてもこの後のマリナは怖がり過ぎです。「あれ?コノミちゃん来てたの?」と思わず勘違いしてしまいそうな怖がりっぷりです。


アランダス号を発見したメンバーは、そこで遭難事件の結末を知ります。一人犠牲になって船員を救った船長の一人息子バン・ヒロト。彼の遺品である時計を手に涙するミライ隊員。
どういう状況でどう犠牲になったのかが、ビデオ映像の画質や音声の保存状態がイマイチなため、視聴者にとっても分かりにくいのが難ですが、そこはミライ隊員が説明してるのでOKでしょう。逆にミライがこの件について異様に詳しいことと、マリナが気付いたバン・ヒロトの声が誰かさんに似ていることが、視聴者の興味を誘導していきます。


どうもバン・ヒロトという人は、メビウスが人間体ヒビノ・ミライのモデルとした人のようです。そして、メビウスはバン・ヒロトの遭遇した事件についてもある程度のことを知っているようです。
ただ、救出に向かうことを強く主張したことから察するに、死亡の確認はしていないようです。また、セリザワ隊長のように死体を再利用されたわけではなく、バン・ヒロトの身体は他にあって、あくまでそれを参考に真似てヒビノ・ミライの身体は作られたようです。モロボシ・ダン方式ですね。
メビウスはこれだけ事件について知っているにも関わらず、結末を知らないとは、いったいどういう関わり方をしたのか興味深いところですが、それは次回を見れば分かるのかな?


それはそれとして、このアヤシイ星は、ボガールの巣だったのです。
ウルトラゾーンも閉じだして、一刻の猶予もなく離脱しなければなりません。
しんがりを買って出たミライを待とうとするリュウに、サコミズ隊長は「今はミライのことは忘れろ!」と非情な通告、脱出を促します。リュウは渋々ジーアイジー。こんな風にむかつかないリュウも珍しいです。
サコミズ隊長はウルトラマンと頷きあった時に、ミライのことはウルトラマンが何とかしてくれると確信したのでしょう。決して鬼でも悪魔でもなく、ミライのことを見捨てようと思ったわけではないのです。まー今回の言い出しっぺだし仕方ねーよなーとか、だいたいいつも怪獣が出てくるといなくなりやがってイラネーよあいつとか、そんなことは決して思ってません。ええ、思ってませんとも。

*1:ジョージを除く

*2:ジョージを除く