三十九之巻 始まる君

決定的瞬間でごじゃりましゅでしゅ〜。ヒビキさんが明日夢ちんのことを名前で呼んだでごじゃりましゅでしゅ〜。
ついに始まっちゃったよ、明日夢
なんといっても明日夢ですが、イブキもトドロキもあきらも、今回はそれぞれに始まりを迎えました。
トドロキは、おやっさんとの会話まではどうなることかと思いましたが(笑)、ザンキからの自立を決意します。
イブキはこれまでもあきらの師匠ではありましたが、前回行き詰まりに達して、ここからが本当の師としての成長になっていくのでしょう。
あきらもその師匠の思いを受けて、迷いから脱しつつあります。この答えは次回に出るのか。予告からわくわくしっ放しです。


ヒビキさんが明日夢を認めたのは、どの辺なのかな。
明日夢がヒビキさんを救い得たという結果論に対してではないと思うし、音撃の効かない魔化魍の弱点を見抜いたという能力面に対してでもないと思う。
なぜなら、ヒビキさんは、少なくとも今の明日夢に対しては、努力は評価してくれると思うけど、結果に対しては問わないと思うから。もちろん努力に結果が付いてくれば、一緒に喜んでくれるはずだけど、それにより評価は変わらないだろう。
もっとも、明日夢が正式に弟子になったり、猛士になったりしたら、話は別かもしれない。仕事としてやるなら結果は必ず問われる。いくら一生懸命やっても、人を助けられなかったら、それはそれでおしまいなのだ。責任感を持って仕事をしている人は、結果に対してもシビアなはずだ。しかし、明日夢はまだ仕事でやっているわけではないし、ヒビキさんはそこを混同するような人ではないだろう。


さて、結果や能力に対してではないとすれば、いったいどこを評価したのか。
響鬼を助けるために、戦いの場所に身を置いたことではないかと、まず考えた。
しかし、以前に火車との戦いの時に、たまたまその場に居合わせて、些細なことながら響鬼を助けたことはあった。今回はもう少し積極的ではあったが、それでも微妙な差だ。
とすれば、あと考えられるのは、ヒビキの教えを実践して神経を集中したという、その行動に対してではないか。
響鬼が戦いの最中に明日夢のそんな行動を見ている余裕などあったかどうか分からないが、前回既に明日夢のその行動をヒビキは確認している。
自分の教えを素直に実践するという行動、素直さと、そうして迷いを吹っ切って成長した明日夢の姿、それそのものを評価したのではないか。そういう気がする。