#5 月光

なんだかイマイチ…。
内容を総括すると「カオルは鋼牙の家に住み着くことになりました つづく」という感じでしょうか。


殺人容疑で追われる薬剤師(涼平)と追う刑事は旧知の仲であり、殺された女を巡る因縁があるんだけど、それがホラーに襲われる経緯に何の因果*1があるんだか、さっぱりわからん。
薬剤師が女子高生(岡本奈月)を拉致したのも意味不明だ。無罪を主張している人間が、あえて罪を犯す意味がわからん。余計立場をまずくするだけだろうに。それとも本当に犯人なのか。追われている最中の一時凌ぎで人質をとって盾にするということはあるだろうが、廃工場に潜伏してしばらく時間があったようなので、そういう状況でもなく、それなら身一つで逃げた方が身軽なのでは?
と以上書いたように、人間劇部分に何らかの意味を見出そうと試行しますが、実はこの寸劇、ホラーを巡るストーリー上では全く意味がありません。ホラーが間もなく覚醒するという状況において、その場に人が3人もいるという状況を作るための方便でしかない。
こんな意味無い部分に意味ありげな寸劇を入れる暇があったら、ホラーに憑依された女の方にスポットを当てて、その陰我を描くべきでしょう。


ホラーの方もなんだかイマイチ…。
「月光」というと、特別なパワーをイメージするし、あえて即覚醒しないで月光により覚醒するというサナギマン的段取りを踏んでるなら、覚醒後のパワーは桁外れなものであってほしいのですが。
実際は覚醒前は普通の人間にも倒されるほど弱く、覚醒後は弱点が本体とは別にあるというだけで特に強くありませんでした。
弱点判明に手間取り、制限時間が危うくなるというような状況になるのかと思ったら、そんなギリギリでもなく余裕でクリアだったし。
デザイン的にも覚醒のイメージを蝶の羽化とかぶらせるためにカラフルな色彩となったのは仕方ないですが、黒を基調とした重厚なホラーのイメージからは浮いてるし、それならいっそもっと大きな羽をつけるなど、さらに派手にした方が良かったのではないかと思えるのですが。
なんか中途半端な感じ。

*1:陰我?