Stage.34 勇気の絆〜ゴール・ゴル・ゴルド〜

ウルザードの正体は父・ブレイジェル=小津勇だった!
衝撃の前回ラストからの続きです。
今回は全編見どころ盛りだくさん、いきなり最終回のような盛り上がりです。


一瞬の驚愕の後、メーミィが放った一撃を、人間体のまま素手で払いのけるパパ、カッコイイ!
魔法で一旦場所を移し*1、家族会議です。
父の口からウルザードとなった経緯を聞かされ、思わぬ父との再会に喜ぶ蒔人達4人。
しかし、父との思い出の無い魁だけは、彼を父だとは認めません。
なぜなら「そいつは母さんを殺したんだ!」
この冷や水を浴びせるような一言で、父子の間に目に見えぬ深い断裂が生じます。
その一瞬の隙を突くように、父はン・マの手に再び捕らわれてしまいます。
この辺の流れが、スムーズで無理が無く、抑えられない衝動あり、時が止まるような緊迫ありで、静動あって素晴らしいです。


その直後、スモーキーに助けられたヒカル先生とリンが、天空聖馬ユニゴルオンを駆って助けに来ます。
激情を抑えきれない魁をとにかくいったん地上に逃がすように指示し、ヒカルとリンは残ってメーミィに対峙。
ユニゴルオンが何人でもまとめて運べるというのが、いったいどういう原理なのか不明です。それができるなら、映画でも全員で乗り込めば良かったじゃん!…という映画へのツッコミは置いといて。
それよりも、そもそも映画を観てない人にはユニゴルオン自体が「初めまして」なのに、えらくそっけない紹介だし、魁がどさくさに紛れて新呪文を唱えてセイントカイザー合体するのも飛ばし過ぎです。映画は当然観たよね?というのを前提にした話作り(笑)


それはそれとして、地上では魁たちを追ってきたキマイラが大暴れ。
冷静さを失っている魁を兄弟は止めますが止められず。魁はセイントカイザーに合体してキマイラに挑むも軽くあしらわれます。兄弟はマジドラゴンとなって魁を援護しますが軽く一蹴されてしまいます。*2
ここで父が再び悪の姿、ウルカイザーとなって登場!
「お前の力はそんなものか!」
戦いに手出しをせず、魁を発奮させるウルカイザー。
まさに厳父! これが父の姿でなくてなんであろう!
姿形は悪に染まろうとも、父はやはり父なのだと否応無く納得させる描写は、見事というほかありません。


全編通して、魁の激情描写も秀逸です。
父の思い出が無いゆえに、父のことを知りたいと特に願っていたここ数回の魁の気持ちと、常にウルザードと相対してきたのが魁であり、母を殺された恨みとともに、ウルザードの高潔さを最もよく知るのも魁であったという、全くどこにぶつけてよいかわからない複雑かつ強烈な思い。
これらは、これまでのドラマの集大成として成り立っているもので、これ以上なく上手く、帰結させるべく帰結させています。


怒り、泣き、拳をぶつけてくる魁を、ウルザードは、父は、どう受け止めたのか。
父ならぬウルザードは、押し倒されながら困惑したはず。いや、もしかしたら、押し倒された時は既に父だったのかも知れない。
最終的には、魁の涙が父の心を呼び戻したのかもしれませんが、ウルザードのマスクに落ちた涙の雫に、キラキラした映像効果を入れなかったのが素晴らしいポイントです。
おかげで、どの時点から父が心を取り戻したのか不明瞭になっています。ここに明確な変化の分岐点が無いために、父とウルザードの2つの人格は一体だったのだということが改めてわかります。
ウルザードとしての父は、敵ではあったけど、それでもやはり父だったのだ、と。


ここまでで十分に素晴らし過ぎるのですが、レジェンドパワーを得ていよいよ復活がせまるン・マを、復活を果たしたブレイジェルが単身で、再び封じに向かいます。
この映像がまた! 戦隊では滅多に見れないレベルのスペクタクル映像です。
魔法を唱える声も渋いブレイジェル。カッコよすぎる〜!
本当に最終回並の盛り上がりです。
メーミィもヒカル先生にやられて最期を迎えましたし*3
敵はバンキュリア(ナイとメア)を除いて総入れ替えですな。
ところで、インフェルシアに残って戦っていたヒカル先生とリンは、どうやって帰ってくるんだろう?
あと、飼い主がいなくなったバリキオンの命運やいかに。

*1:といってもまだインフェルシア内

*2:いつも思うのですが、マジドラゴンは上空から火炎攻撃しとけばいいものを、何で首根っこ捕まれて投げ飛ばされるような低空で戦うのでしょう?

*3:本来はこんな風についでのように書くことではないのですが(笑)