7人目戦士

これまでの戦隊だと6人目戦士という言い方ですが、デカレンではデカマスターに次いでの7人目なので*1
7人目戦士のデカブレイクは、特別指定凶悪犯罪対策捜査官、通称特キョウ。特別指定された凶悪アリエナイザーを追って、宇宙を舞台に活躍する捜査官です。
地球暑の面々が所轄の人間だとすると、デカブレイクはギバちゃんか筧さんかといった役どころ*2。本庁の人たちのお弁当代も所轄の予算からなんで、早々に解決してさっさと帰っていただきたいというのが所轄の本音……て、それは別番組ディス!
でもまあ、「所轄はでしゃばるな!」的なことはデカレンでもあるみたいで*3、所轄と本庁の軋轢みたいなもんもあるんでしょうかねえ?

本庁指令「デカレンジャーはでしゃばるな! デカブレイクを待て!」
バン「事件は会議室で起きてるんじゃない! 現場で起きてるんだ!」
ホージー「ボス、指示をください。俺たちはボスの指示に従います!」
ドゥギー「バン、確保だージャッジメントだっ!」

みたいな(笑)
冗談はさておき、デカブレイクはヘルズ3兄弟を追って地球にやってきますが、この件が一件コンプリートしたら、別の犯罪を追って地球を去るのが筋。どうやって地球に居座るんでしょうね? さらに凶悪な犯罪組織が地球を狙ってるとかの前振りでもあるんでしょうか? それとも、今回は顔見せで、一旦は帰っていって、本当の活躍は第3クールの終盤から、なんて可能性も無くはないか。7人は多いしな。


増員があった時に、たいていは超強力な助っ人なので、パワーバランスが崩れるのですが、その点はもう毎度のことなのであまり心配していません*4。どの作品も最終的には、一人だけの強者よりも、5人*5の結束が最後の勝利に結びついてます*6。桁外れに強い6人目戦士は、初期メンバーがいろんなものを超えて成長していく過程を描くための物差しと見ることもできます。
むしろ重要なのは6人目戦士のポジションです。
6人目戦士は、やはり初期メンバーとスタンスを分けてもらいたい。
例えばガオレンジャーのガオシルバーなどは、登場の経緯こそ異色でしたが、一旦合流してしまうと、ほとんど一緒に戦ってました*7。これはあまり面白くない。ストーリー的に広がりもないし、最初の強さをバランス取って抑えていくのが、単なる弱体化になってしまう。


私が好きなのは、メガレンジャーのメガシルバーとタイムレンジャーのタイムファイヤーです。ギャグ色が強いのでは、カーレンジャーのシグナルマンとかも好き(笑) それぞれ独自のポジションで、5人の戦士とは一線を画してます。
メガシルバー=早川裕作は有能な主任研究員であり、彼が出て行くとロボット開発などのプロジェクトが滞るため、久保田博士*8に「お前は出るな!」といつも釘を刺されて、それゆえに出番は限られるのですが、根が目立ちたがりやなのでちょくちょく出て行くという、ちょっとおちゃらけたところのある好人物。高校生戦隊であるメガレンジャーのいいお兄さんとしてサポートに徹してます。時には戦士として、時には武器開発者として、時には人生の先輩として。ちょっと気の抜けた独特の語調で、すごくいい事言ったりする、非常に魅力的な人物でした。「俺は俺の大切なもののために戦う、マジでなぁ*9
タイムファイヤー=滝沢直人は、レッド=浅見竜也の元同級生で、達也の方は親友だと思っていたが、直人の方は、財閥の坊ちゃんでありながらそれを良しとしない達也に、憎悪に近い感情を抱いている。手に入れたタイムファイヤーの力を、自分の野心のために使うと公言して憚らない野心家。ただ、だからといって、タイムレッドと敵対するかというとそうでもなく、人を蹴落とすのではなく、自分のために生きるというポリシーが潔い。決してタイムレンジャーと歩調を合わせることも迎合することもないですが、結果として向いてる方向は違っていないという、まさにライバルという言葉が相応しい孤高の戦士です。「レールには乗るもんだ!」
シグナルマンはチーキュ(地球のこと)に赴任してきたスペースポリスの警察官。正義を愛する心は誰より篤いが、勘違いも多い。ボーゾックを追跡するカーレンジャーをスピード違反で取り締まったりします(笑) 明らかにロボな風貌ですが、故郷のポリス星には愛する妻子がいます(笑)「本官の許可無く巨大化してはいかーん!」


逆に絶対やめてほしいのはアバレンジャーアバレキラーです。完全に悪者ですからね。もう、悪の組織を牛耳ってしまうくらいな悪者。しかも愉快犯。さらには自分の命さえ軽視する刹那主義者。一番許せないタイプですよ。最後はつじつま合わせてかっこよく散りましたが、そんなことで彼の罪は消えません。「ときめくぜ」とか言ってる場合じゃないです。
ハリケンジャーのゴウライジャーも最初は悪者でしたし、ドラゴンレンジャー・ブライ、黒騎士ヒュウガ、後にガオシルバーとなるロウキなど、最初は悪者というのは実は多いのですが、普通は誤解が解けるとか正気に戻るとかして改心して、あとは正義のために戦うんです。ところが、アバレキラーはほとんど最後まで悪者でしたからね。
いや、最後まで悪者だったということより、やはり悪者の質が問題です。主人公の抹殺だけを目的とするバイオハンター・シルバとか、自分流の美学を持つジェットマンのグレイとかみたいに、かっこいい悪役だっているんです。それに比べて、アバレキラーは無軌道過ぎます。まさに最悪。こんな奴だけは二度と勘弁してほしいです。


あと、増員メンバーで気になるのは、その結末です。
ハリケンジャーシュリケンジャー、アバレンジャーアバレキラーと、前2作続いて最後は死んでます。その前のガオレンジャーでは死ななかったですが、もう一つ前のタイムレンジャーのタイムファイヤーは死んでます。
増員メンバーは、結局は余剰メンバーなんで、末路が非常に危うい。
ただ、一人一人振り返ってみると、それぞれはそれなりの意図があって死んでるようです。
アバレキラーは上述の通り極悪人なんで、死ななきゃ因果応報が成り立たないでしょう。
ハリケンジャーは素顔を一切出さなかった*10ので、死なすことに悲壮感はあっても残酷さはなかったといえるでしょう。まあ、死なせることに抵抗の少ないキャラだったと。
タイムファイヤーは、死なすのは可哀想なキャラクターではありました。ただ、番組自体が設定年齢高めだったので、死を描くというドラマが許されたということは言えるでしょう。*11
そういう意味では、7人目戦士のデカブレイクはどれにも当てはまらないと思われます。やあ、安心安心……とちょっと待て。
6人目戦士のデカマスターはどうだ?
人間の素顔が無い分、シュリケンジャー条件に当てはまってる??
だめだめ〜! ドゥギー死んじゃだめ〜!


なんか、徒然に書いてたら、すごい長文に…(^^;;;


*1:7人か……多いな

*2:あれは捜査官じゃなくて管理官(笑)

*3:「ナンセンスなこと言ってないで、どいてください!」

*4:むしろ、ギンガマンみたいに、戦士増員以外でもガンガンギギーンとパワーアップしてるはずなのに、相変わらず苦戦してるという方がバランス的にどうかと…。

*5:作品によって人数は若干違いますが

*6:この時点で増員メンバーは既に死んでる場合もあります。

*7:違いは、一緒に住んでないのと、自分のロボを持ってるということくらい。

*8:司令官的役どころの人物

*9:決して「!」などは付かない(笑)

*10:私生活も出なかった

*11:そもそもの黒幕の意図が自分以外のタイムファイヤーを死なすことでしたし。